BDC PILATES | Interview

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Interview

義足のダンサー・大前光市

2020.09.28

大前光市
義足のダンサー
日本のプロダンサー。片足が義足というハンディキャップを生かした独自の創作ダンスを演じている。
2016年に開催されたリオデジャネイロパラリンピックの閉会式において、東京パラリンピックへの引き継ぎセレモニーでダンスを演じた。

ー 「義足のダンサー」として国内外でご活躍をされる大前光市さんに本日お話を伺えること、大変楽しみにしておりました。今日はどうぞよろしくお願いします!まずはお身体のメンテナンスをされる上で、ピラティスを始めたきっかけを教えてください。

ピラティスという言葉自体は知っていて、最初はどんな感じなのかな…という感じでした。何回か他のスタジオでグループレッスンを受けたことはあったんだけど、その時は、ダンサーとしてピンとこなかったんです。ピラティスをやることの意味や深さが理解できなかったんですね。ですが、2年ちょっと前にここ(BDC PILATES)に通っている人から、「いいよ!」と教えてもらって受けたら「おお!こういうことか!」と思い、それがきっかけで始めました。

そのころは体についてある程度詳しくなっていたので、ピラティスに対する良さやノリみたいなものが分かったんです。ダンサーとしてピラティスの良さやノリが分かるには、体についての知識や興味が多少なりとも必要かもしれませんね…!イケイケで動けるダンサーは最初は興味持たないかもしれない…。若い時の僕がピラティスに出会っていたら、「でも動けるし!」と思っていたかもしれません。(笑)

ー BDC PILATESでレッスンを受けていただいて、どんな部分が「おお!」となったのでしょうか?

僕は事故をして左足が義足になったのですが、できなくなった動きが多い中で、体の使い方を考えたり、どうすれば体を効率よく動かせるのかを考えてきました。それがBDC PILATESのレッスンをうけてヒットしたんですよね。

ー 具体的にピラティスのどういうところが、大前さんのダンスや日々の生活にリンクしましたか?

楽に気持ちよく体が使えるようになる、というのが一番ですね。僕の場合は、ピラティスをすることでハイパフォーマンスな動きになると分かったんです。ピラティスをすることで、よりジャンプが綺麗に、効率的に飛べるようになるというメリットを感じました。僕の場合、良い動きになるためのピラティスですね。特に男性は鈍感で、繊細に体を使うことに興味のない人が多くて自分の力だけで出来ちゃうと思ってるし、何か動かすということを、動かしてるという実感があることを動かすだと思っている。それじゃダメなんです。大事なのは「動きの質」なんです。

ダンサーにとってコンディショニングが一番やらなきゃいけないトレーニングだと思っています。ダンサーの場合、動き方が重要なんですが、そればかりやっているダンサーが多い。ストレッチをプラスαとしてしか考えてなかったりする。ただコンディショニングをせずに踊ってばかりいると、とても非効率なんです。良い動き、美しい動き、上手くいっているというのは、コンディショニングができているということなんです。

コンディショニングは、悪くなったらやるというように考えてる人が多い。僕も若い頃そうだった!コンディショニングしなくても動けていて、多少固い体のまま練習し続けることを美徳としているというような根性論がありましたねえ〜。(笑)

でも今はそうではなくて、コンディショニングすること自体がトレーニングなんだということに気がつきました。ピラティスをやって、その状態で動いていることが、「質の良い動き、うまくいく動き」なんです。どう動くのかはまた別で「どのような状態がいいパフォーマンスに見える体か」が大事。リリースした状態を維持しながら動けたらベストなんです。だから、動きながら体に違和感を感じたらすぐにコンディショニングに戻らなきゃいけない。

ー ちなみにコンディショニングをやらなきゃいけないと気づいたきっかけは何ですか?

僕の場合、右足ばかり使ったりとかして体が偏っていたんですよ。常に固い体をしていて、偏っていて、動き過ぎると膝周りとか痛いし、そういうストレスが多い体になっていた。その時にどうすればいいんだろうと疑問をもつことができたんです。

そのときに、「もしかしたら僕の体の使い方は、実は分かってないかもしれないと」思った。ダンサーって訓練しているが故に、人よりも健康的に効率よく体が使えていると思い込んでるところがある。でも実はそれは違っていて、僕は体について専門家だと思っていたんですけど、ピラティスを始めて全然分かってなかったんだと感じました。まだまだ体が良くなるという可能性を感じたんです。自分の体の使い方がいいと思ってる人ほど、やったほうがいいと思います。全然違う世界が待っていると思います!笑

ただ、コンディショニングの必要性を感じるには時間がかかるとは思います。例えば、バレエをやるならコンディショニングとセットとして考えないといけない。ダンサーこそやらなきゃいけない!来てみて一回!(笑)

例えば1つの靴ばかり履いてたらその靴はすぐダメになっちゃうでしょ?体も一緒で、体もおなじところばかり使うのではなく満遍なく使わないと長持ちしないんです。僕は年齢的に40なので、バレエダンサーとしては引退みたいな年なんですね。でも全然ジャンプできるし、前より綺麗で効率的な動きができている。だけど、あのまま体を強引に使っていたら、今頃歩けなくなってたんじゃないかとも思うこともあります。

ピラティスを始めたら発想が変わってくる。「うまくなる」ってことは「発想が変わる」ってことなので。残念ながら、ただ踊ってるだけではこれは分からないです。上手くなりたいなら専門家のところに自己投資をしないと上手くなれない。今の自分の発想で踊っているから上手くなれない。違う発想は、自分とは違う人に聞いて教えてもらわないと手に入れられないです。それが一番早い。

ー ピラティス始めて大きく変化を感じた部分は何ですか?

動くときは動かすではなく、体に任せるという発想になれたこと。「発想のチェンジ」ですね。
今は動こうと思って動いてないです。まずは状態を作ること、それを維持しながら体に任せる。
負荷をかけるトレーニングもしていますが、それ以前にピラティスをやっておかないと弱い力で操作できない人が、いきなり強い力で操作はできない。

身体の基礎を教えてくれるのがピラティス。だからダンサーはピラティスから入ったほうがいい!

体性感覚が良くなるので、自分の動きを脳が把握している状態を作れます。その状態になると脳が安心するので、ピラティスをやることでその安心感が持てる。そうすると周りの把握能力が違ってくるので、頭がちゃんと働いてる状態、周りが見えてる状態、音も聞けている状態で動くことができる。自分の体が落ち着いて使える状態になるためにも、体をつなげるという体性感覚が必要ですね。

マシンピラティスは、マットよりもちょっと負荷をかけてくれるので、やっぱりすごくいいです。マットだと自重を主に使うので、人によっては自分の負荷で頑張ってしまう。任せられない状態になってしまうので、サポートしてくれるマシンからピラティスを始めて良かったと思っています。

ー バレエやジャズ、その他のダンスを踊っている人に向けて、一言お願いします!

ピラティスはメンテナンスではなく、「トレーニング」です!バレエの基礎です。踊る時間よりトレーニングの時間を増やす方が上手くなると思います。「上手い」というのは「状態」のことなので、たくさん踊ったら上手くなるのではないんです。トレーニングによってその状態にもって来られたら、上手くなれる。それに気づいてない人が多いので、ぜひ気づいて欲しいです!

ー 最後に今後の目標を教えて下さい!

僕にははっきりとビジョンがあって、今日本舞踊とかも習っているんですが、今までやってきたことを全部合わせて、体の状態だけで魅せられる人になりたい。ピラティスの体をベースにして、空気を変えられるような動きを練習しているんですよ。

観客のお客様、特に女性の方って印象とか空気感みたいなものを感じる能力が優れているので、そういうものを与えられる表現をしていきたいです。「いい踊りだった」ではなく、「いい空間だった」と言ってもらえるような魅力的な動きや表現を目指しています。動き方はどうでもよくて、印象です。どんな空気感をもって、その場を変えられるか…そういう踊り手になりたいと思っています!

場作りのホストに!途中でお茶配り始めちゃうような(笑)、そのぐらいの和やかなムードを作れる踊り手になるための体づくりをしてくれるピラティスが本当に役に立っています。
ピラティス、まずは10回やってみてほしい。可能性を感じるから!!

BDC PILATES:本日は本当にありがとうございました。今後の舞台もとても楽しみにさせていただきます!