「初めてBDC PILATESでレッスンを受けたとき、
”自分の体って、こんなふうに整うんだ“と本当に驚きました。」
―NDTダンサーがBDC PILATESで感じた本質
聞き手:BDC PILATES ディレクター 樋口知香
世界最高峰のコンテンポラリーダンスカンパニー、Netherlands Dance Theater(NDT)で活躍する髙浦幸乃さん。10代で単身渡欧し、現在はNDT1のメンバーとして世界中の舞台で活躍しています。そんな彼女が自身のキャリア、身体との向き合い方、そしてBDC PILATESについて語ってくれました。
髙浦幸乃 Yukino Takaura(NDT1)
■BDC PILATESでのレッスン。体が“本来あるべき場所”に戻っていく感覚。
「初めてBDC PILATESでマシンピラティスのレッスンを受けたとき、“自分の体って、こんなふうに整うんだ”と本当に驚きました。」と熱く語る髙浦さん。
「井上インストラクターのクラスでは、終わった後に自分の重心の位置、背骨の積み上がり方、体の中心の通り方が明らかに変わるという、これまで経験したことのない感覚を得ました。」
「ピラティスって、それまで“お腹に太くて強い芯を作って姿勢をキープ”するというイメージが強かったけれど、BDCのアプローチは真逆。常に“ゆらぎ”を許容し、“流動性”を大切にする。動きの中で身体を整え、積み上げていく。その考え方が、すごく新鮮でした。」
指導の言葉の選び方や伝え方にも強く共感したと語る。「ただ知識があるだけでなく、相手に合わせて“届く言葉”を選んでくださる先生だと感じました。その言葉通りに動いていたら、気がついたら整っていた、というような感覚です。」
「私にとってピラティスは“身体の地図を再確認する”ような時間。どこに力が入りやすいか、どこが眠っているか。小さな気づきが大きな安心に繋がります。」
■自分の体に“寄り添ってくれる人”がいる安心感。
「ピラティスって、自分の体に真剣に向き合う作業だけど、そこに“伴走してくれる人”がいるだけで、こんなにも安心感が生まれるんだって思いました。」
体のプロフェッショナルが、自分だけのために最適なメニューを考えてくれる時間。日常生活ではなかなか得られない“贅沢な集中”が、BDC PILATESのスタジオにはあります。
「BDC PILATESは“クオリティの高いマシンピラティスのレッスンを、誰でも生活に取り入れられる形で提供したい”という理念で成り立っていると聞きました。大人数での指導や短期間の資格取得では絶対に得られない、真のクオリティがここにはあると実感しました。」
■ダンスにも、ピラティスにも共通する“伝える力”の本質
「どれだけ技術が高くても、伝え方が下手だと世界が広がらない。逆に、言葉や身体を通して“届く”伝え方ができる人は、人の心に残るんです。」
これは、振付家にも、ピラティスインストラクターにも、共通するスキルだと髙浦さんは語ります。
BDC PILATESでは、知識とともに“体の触れ方”や“言葉の選び方”といった、感覚的で高度な指導力を身につけるためのトレーニングも大切にしていると話したところ、深く頷いていました。
■10代で見た「海外で踊る」という夢。そして実現へ。
「ダンスとの出会いは5歳の頃。最初はキッズダンスやミュージカルを楽しんでいましたが、小学校に上がってすぐ宝塚歌劇団に憧れたことがきっかけで、バレエを始めました。」
クラシックバレエに真剣に取り組む中で、次第に“ダンサーとして海外で生きていきたい”という想いが芽生えた髙浦さん。17歳でドイツ・ハンブルクバレエ学校に入学し、卒業後は設立されたばかりのジュニアカンパニーへ。さらにオーディションを経て、世界最高峰のカンパニーNetherlands Dance Theater(NDT)へ入団。現在はNDT1のメンバーとして、国際的に活躍しています。
「日本にいる頃から、”プロとしてバレエを踊るなら、バレエが生まれた本場ヨーロッパで一度は勉強するべき”ということをずっと言われていました。プロダンサーの人生を歩むのは厳しい現実もあるけれど、学びたいという気持ちが強くて、自然と海外を目指すことになりました。
■怪我を防ぐための「基礎力」。それが私を支えてくれた。
「これまで大きな怪我がなかったのは、本当に幸運でした。でも、根底には“基礎の徹底”があったと思います。」
日本で師事していた恩師が何よりも大切にしていたのが”基本を正しく積み重ねること”。その教えは、NDTという多様性に富んだ環境の中でも揺るがない“身体の支柱”となっているそうです。
「NDTの朝のクラスでは毎日バレエをやります。NDTで踊るレパートリーはクラシックバレエのようなものではなく、さまざまなスタイルのコンテンポラリーダンスの振付師が創った作品です。ただ、私にとっては、今リハーサルしている作品とはスタイルが違っていても、朝のバレエレッスンが、あえて“一度ニュートラルに戻す”作業となっています。」
身体の中の軸を再確認し、余分な力みを取り除く。ポジションや重心の在り方、深部の筋肉との対話。そういった「地味だけど確実な訓練」が、複雑で抽象的な振付の中でも、自分を守ってくれる武器になると語ります。
■ピラティスは「身体の声を聴く」時間。
ピラティスとの出会いは、ハンブルク留学時代のコンディショニング・クラス。その後、NDTで本格的なマシンピラティスを経験しました。
「クラスやリハーサルの合間、もしくはちょっと不調を感じた時には、自分でブッキングしてピラティスのセッションを入れています。自分の身体と“静かに対話する”時間としてすごく大事。」
NDTには専用のトレーニングジムがあり、専属トレーナーが定期的にピラティスを指導。パーソナルセッションとして利用できる体制が整っており、1人ひとりが必要に応じて選択しています。
「私にとってピラティスは“身体の声を聴く”ための時間です。自分の体に関する小さな気づきが大きな安心に繋がります。」
■最後に:身体と、信頼できる人と、丁寧に向き合うこと。
「自分の身体と、丁寧に向き合ってくれる誰かがいる。BDC PILATESは、そんな“対話の場”だと思います。」
ダンサーとして、そして一人の身体の持ち主として。
世界の第一線で活躍してきたプロフェッショナルダンサーの言葉は、これまで積み上げてきた体との対話、そこに真摯に向き合いながら、世界の観客を魅了するダンス作品に出演し続けることの重みを感じさせます。
最後に「オランダにもBDC PILATESが欲しい!」と目を輝かせた髙浦さん。
我々が追求するピラティスは、もっと多くの人の生活に必要とされていい。
そう感じさせられる、濃密で温かな時間となりました。
2025年5月