BDC PILATESはプロの身体にもちゃんと対応できる、心から信頼して通えるスタジオ。「踊る人のため」だけのメソッドではなく、よりよく生きたいすべての人のためにある運動だと思うと語る二山さん。
〜世界を知るバレエダンサーが語るBDC PILATESの本質〜
聞き手:BDC PILATES ディレクター 樋口
世界的バレエコンクール「ローザンヌ国際バレエコンクール」および「ユース・アメリカ・グランプリ」での優勝を経て、サンフランシスコバレエスクール、パリ・オペラ座と名門を渡り歩き、2025年より東京バレエ団に籍を置く二山治雄さん。
名実ともに日本を代表するダンサーのひとりです。
そんな二山さんは、バレエと並ぶほどの情熱をもって「ピラティス」に取り組んでいることでも知られています。毎日のようにピラティスを続け、今やバレエ界で「腹筋の二山」と呼ばれるほど。なぜトップレベルのダンサーが、そこまでピラティスに信頼を寄せているのか—その秘密に迫ります。
オープンロードアソシエイツ株式会社主催
ダンス公演「机上の空論」2024年2月公演より
(写真:大洞博靖)
■BDC PILATESでの気づきと実感:「引き上げ」が体に定着していく
BDC PILATESでのセッションの中で二山さんが特に実感したのが、“体の引き上げ”の感覚の定着だという。
「BDCピラティスのマシンの上での動きでは自分の癖がすごくよく分かる。レッグサークルは、“朝、踊る前にこれやったら最高だな”って思います。すごく気持ちいいし、その後のバレエで軸にスッと乗れる想像ができる」
また、トライセプスのような腕のワークでも、小さなフォームの違いで、効果がまったく変わることを実感しているそう。
「“手首をまっすぐに”って声かけてもらってポジションを調整しただけで、“あ、こっちの方が引ける!”って腑に落ちる感じがあります」
BDC PILATESでは、インストラクターの細やかな声かけによって、自分では意識しにくい部分も自然と目覚めていく。その一例として、「肋骨をそのままで、右のお腹をグッと持ち上げましょう」という声に、即座に反応して身体を正しい位置に収めていたシーンが印象的でした。
「“引き上がってきたな”って、レッスンの途中で自然に感じるんです。スワンをやってるときなんか、“背中、伸びてるな〜、気持ちいい!”って思わず声が出るほどで(笑)」
セッション中には、「どうしよう、明日上手になってたら(笑)」という冗談交じりのひと言も飛び出すほど、ピラティスがもたらす即効性と安心感に包まれていた様子。
■ピラティスの資格、信頼できるスタジオの見極め方
「最近、ピラティスの資格を取る人が増えていますよね。でも、中には『え、そんな短期間で?そんな簡単に取れちゃうの?』って思う資格もある。知識がなくピラティスをやると逆に怪我につながるので、大丈夫なのかなって心配になることもあります」
だからこそ、二山さんは指導者の知識や経験を重視します。
「BDC PILATESは講師の資格制度はしっかりしていると聞きますし、専門知識も豊富。ダンスのスクールをやっていることもあり、プロの身体にもちゃんと対応できる。だからこそ、心から信頼して通えるスタジオだと思います」
■「体を集める」感覚が、踊りの質を変えた
「僕の体はすごく柔らかいんです。それが時に“広がりすぎてしまう”原因にもなる。コンクールに出る前にバレエの先生から『体を集めて踊りなさい』とアドバイスされたのが、ピラティスとの出会いでした」
7歳の時から地元長野でバレエを始めた二山さん。“体を集める”という感覚。それはつまり、広がりがちな身体を内側にまとめて、必要な筋肉だけを使える状態に整えること。それに不可欠だったのが“腹筋”、つまりコアの筋肉だったのです。
高校生になって本格的にピラティスを取り入れてから、レッスンや舞台でのパフォーマンスの質が大きく変わっていったといいます。
「机上の空論」より 福田圭吾と
(写真:大洞博靖)
■毎朝のルーティーンにピラティスを。1日が変わる
「僕はレッスンの1時間前にはスタジオに着いて、まずピラティスをします。そこからストレッチして、ようやくレッスンに入る」
このルーティーンを欠かさず続けているという。ピラティスを行うことで、体の奥にある筋肉が目覚め、軸が整い、“踊る準備”が整うといいます。
「ピラティスで最初に “自分の正しい状態”に戻しておかないと、レッスン中に無意識に変な筋肉を使ってしまう。それが積み重なると怪我にもつながってしまうんです」
■舞台前の不安を支えてくれる「腹筋」
「舞台前って、めちゃくちゃ緊張するんです。僕、本当に不安になってしまうタイプで(笑)。でも、そんなときに助けてくれるのが“腹筋”。袖で出番を待っている間も、ボールを脚の間に挟んで腹筋してます」
踊ってしまうと体が疲れてしまうし、休んでいると体が冷えてしまう。そんな時に体の内側から燃焼をさせてくれるピラティスがちょうどいいという。
また筋肉に軽く刺激を入れることで、集中力が上がり、安心感が生まれる。ただの準備運動ではない、メンタルコンディショニングとしてのピラティス。その効果は、繊細な舞台芸術の現場でこそ発揮されるのです。
■「踊ってわかる」内側の変化。表現のクオリティを左右する
「そのダンサーがピラティスをやってるかどうかは、踊りを見ればすぐ分かります。踊りに“無駄”がないんです。必要な筋肉だけを使っているから、動きがブレない。そこに表現のクオリティが乗ってくる」
バレエの動きには常に“意識”が伴います。指先、つま先、首の角度に至るまで、すべてが意識によって導かれる。それを支えるのが、ピラティスで磨かれた身体感覚。
「今日は弱いところを鍛える日、今日は全身を整える日、と目的に応じてアプローチを変えられるのも、ピラティスの魅力です」
(写真:大洞博靖)
■誰にとっても必要なピラティス。「100歳まで自分の足で歩くために」
「地元の長野では車移動が多くて、歩かない人が多いんです。だからやっぱり年齢を重ねていくと、都会の同年代の方と比べても、体の状態にすごく差があると感じる。やっぱり“使っている体”は違うんですよね」
BDCピラティスはダンサーやアスリートだけのものではなく、すべての人が生涯を健康に過ごすための運動。特に“コアの筋肉”は、年齢とともに失われやすく、意識的に鍛える必要がある部分です。
■ピラティスは「発見」の連続
「毎回“え、こんなところに筋肉あるんだ!”っていう発見がある。日常の階段の上り下りも楽になって、気分も変わる。体が変わるって、嬉しいですよね」
この“気づき”があるからこそ、続けられる。踊りに限らず、生活そのものの質が変わっていく——それが、ピラティスの本当の魅力です。
■「続ける」ことの意味
「筋肉って本当にすぐ落ちるんです。だから続けなきゃいけない。僕はもう、やらないと不安になるくらい(笑)」
日々の積み重ねで、体も感覚も磨かれていく。そして、ピラティスは“芸術”としてのバレエに必要な論理性も育んでくれる部分が好きだという。
「バレエってよく“引き上げて”って言われるけど、実際にどうやればいいのかがピラティスを通じて理解できた。“これをこうすれば、こう動く”って、体でわかる。それってすごく数学的でもあるし、芸術の土台になる論理なんですよね」
■最後に:ピラティスでバレエも人生も変わる
「僕、今度バレエ団の男性ダンサーたちみんなでBDC PILATESでレッスンをやってみたいです(笑)。男性ダンサーでピラティスをトレーニングに取り入れている人って、まだ少ないですが、みんなピラティスの良さに気づくと思う」
ピラティスは身体を整え、心を支え、技術を高める。二山さんにとっては、なくてはならない日課であり、踊りの本質を支える基盤でもある。
BDCピラティスは、「踊る人のため」だけのメソッドではありません。体の弱い部分を補ってくれる素晴らしいトレーニングで、よりよく生きたいすべての人のためにある運動だと思うと語る二山さん。
姿勢改善、腰痛改善、怪我の予防やリハビリ、そしてバレエダンサーのような美しい所作。
世界を知る二山さんが語るピラティスの魅力を、職業には関係なく、より多くの方に知っていただきたいと思う温かなインタビューでした。