ニューヨークより ピラティス便り 18 | 東京のマシンピラティス専門スタジオ BDC PILATES (BDCピラティス)

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ニューヨークより ピラティス便り 18

2023.08.10

皆様、いかがお過ごしでしょうか。BDC PILATES アドバイザーのHasegawaです。

7月後半になると、さすがにニューヨークも30℃を越す日があり、ただ今夏真っ盛りです。

先日ご縁があり、”Here Lies Love”(ヒア•ライズ•ラブ)というブロードウェイの新作ミュージカルを観劇してきました。

実はこの作品、BDC PILATESを運営する我が社、オープンロードアソシエイツ株式会社が製作にも携わっている舞台なんです!

この作品は、第二次世界大戦後のフィリピンの元大統領夫人、イメルダ・マルコスさんの実話をベースにしたミュージカル。

 

1階の客席をダンスフロアにして、その間をぬって、ファッションショーのランウェイの様な特設舞台が組まれていて

本舞台と両方でパフォーマンスが進んでいく、という斬新な趣向になっています。

劇場に一歩入ると、時代物のシャンデリアの照明がピンク色で、まるでクラブラウンジの様な雰囲気のロビーでした。

 

 

アジアの国のお話という事で、時代背景については、劇場ロビーのお土産コーナーの横に掲示板があり

フィリピンの世界大戦後の歴史が、簡単に紹介されていました。

イメルダ夫人…試しに、知り合いの30代のアメリカ人女子に知っているかどうか聞いてみたのですが

”全く知らない‼︎”との事でした。

アメリカ人…特に若い層には、あまり馴染みのない人物かもしれませんが、

日本ではイメルダ夫人といえば、昭和生まれの私などは、ニュースで見聞きしていた実在の人物‼︎

いったいどんなミュージカルになるのだろう!?と興味深々でした。

私はMezzanine2階席でしたので、階段を登り上の階へ。

2階から1階席を見下ろすと、ダンスフロアとその横の席など、やはり臨場感が半端なく演者がすぐ近くに見られる様になっています。

開演して、何より驚いたのが、ダンスフロアの真ん中にある

いくつかのランウェイの様なステージ。シーンに合わせて、形を変えて、移動するのです‼︎

色んな具合に、この特設舞台は組み合わさり、移動するので、ダンスフロアの観客は

ステージが動くのに合わせて、シーンごとに場所を移動します。

(移動をガイドする係の方がフロアには待機しています。)

 

普通の本舞台でもパフォーマンスは行われますが、主役の演者がソロで歌う時などこの前方の舞台上にやってきて歌います。

ニュースなどの実際の報道写真をスクリーンに映し、ストーリーが進んでいく構成になっていて

時代背景を知らなくても内容は、充分理解できます。

 

この舞台装置のコンセプトの他に、私が素晴らしいと思った点は、楽曲とパフォーマーの歌唱の迫力…

さすが、ブロードウェイ‼︎です。

フィリピン出身の俳優さんたちが、演じていて、素晴らしかったです。

 

さて、ブロードウェイのお話はここまでにして…

今回は、ピラティスの真髄、このメソッドの根底にある哲学についてお話ししたいと思います。


(212Pilates, New York)

 

ここ2-3年で、マシンピラティスが日本でも浸透してきている様子をSNSで目にする機会が増えてきました。

それと同時に…東京でピラティスがどの様なメソッドとして認識されているのかという事も私はとても気になっています。

一般にアメリカでは、ピラティスやヨガの事は、Mind Body Methodマインド•ボディ•メソッドと表現される事があります。

これは…

“心と身体の両方の面から健康を目指すメソッド”という意味です。

 

私がピラティスインストラクターになろうと決心してから、最初に出会った先生が言われていた言葉が今でも忘れられません。

“ただ単に筋トレとしてピラティスを教えていたら、数年でこの仕事は飽きてしまう。

本気でインストラクターになるなら、人間の身体と心に関する探究心を忘れてはいけない。”

 

ピラティスは、ただ単にマシンで負荷をかけて筋トレをするのではなく

呼吸と共に全身を感じながら、背骨と腕や脚が繋がって動いているという意識

そして、何より分のマインド(意識)が、身体に集中できているか…

100%体の動きに意識を向ける事でより滑らかに、気持ちの良い理想的な動きができるのです。

(Peridance, New York)

 

Breath (呼吸)

Concentration (集中)

Precision (正確さ)

Centering (センタリング)

Control (コントロール)

Flow (フロー) など

ピラティスの哲学として、よく使われる言葉ですが、

その真意は噛み砕くと上に書いた様な事になります。

(因みに”ピラティスの哲学”と一般的に言われているこれら6つの言葉は、実際にはジョセフ•ピラティスが選んだ6箇条ではなく、弟子達が教える際の指針となるように、と選んだ言葉です。)

 

皆様もエクササイズのやり方やマシンの扱いなどに慣れてきたら

今度は是非自分の身体がどういう風に動いているか、そして、それをどう感じているか
全身の意識センサーを使って、感じてみて下さい。

 

“運動が苦手で…”と思われる方も、実は身体への意識は敏感である事もあり…

なかなか思う様に体が動かなくても、終わった後で、ジワーッと身体の中が暖かくなっていたり

翌日、筋肉痛になっていたり。少しずつ自分の体に向き合う…その積み重ねで、身体は変わっていきます。

 

また逆に、”運動は得意で、ピラティスも結構長いことやっているけれど…

なかなかコアの筋肉を使った実感が掴めない…。”という方も、ご心配なく。

 

正しいポジションで、使うべき筋肉をターゲットに身体を動かせるように

一回一回のレッスンで、私達インストラクターは、皆さんをしっかりガイドしてエクササイズを行なっています。

 

“私、なかなか身体の感覚が掴めないのかもしれない…”と諦めず、

とにかく続けてトレーニングを行なっていくと…

ある日、突然、“え!?今の自分の動き…全身とコア(腹筋などの体の中心の深層部にある筋肉)が、すごく連動して動いていた‼︎”

と目から鱗の様な、体験がやって来る時があるかもしれません。


(Peridance, New York, ピラティスクラスの最後に片脚バランスでコアの確認)

それは、インストラクターのある一言で、分かる時もあれば、繰り返し、トレーニングをする事で習得できることでもあります。

 

そのためへの第一歩は、頭で考えるのではなく、自分の中の、何か違う意識モードを使って
身体と動きに集中する事です。

この体験ができると…

きっと、また、一歩先のピラティスの理解へと繋がり、ピラティスをした後の爽快感‼︎が更に増す事、間違いありません。

 

これからも、皆さんの日常に潤いをもたらすメソッドとしてピラティスがますます盛り上がる事を私も楽しみにしています。

それでは、また、次回。

Have a nice week!!

 

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