皆さまこんにちは!
今回は、膝の過伸展についてお話しようと思います!
クラスの中でも、インストラクターから「膝を伸ばしすぎないで」と修正が入り、「どういうことかな?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
膝の過伸展(反張膝)は、関節が本来の可動域を超えて過度に伸びてしまう状態です。
これにより、膝の靭帯や関節に負担がかかり、痛みやケガのリスクが高まります。
特に、ダンサーやヨガ、バレエなど柔軟性を求められる動きをする人に多く見られますが、日常生活でも姿勢や筋力バランスの影響で起こることがあります。
ピラティスは、膝の過伸展を防ぎながら、正しい姿勢と筋力バランスを整えるのにとても効果的な運動です。
今回は、膝の過伸展をピラティスと絡めて考え、改善・予防方法やおうちでできるマットエクササイズを紹介します。
【膝の過伸展が起こる原因】
①筋力のアンバランス
大腿四頭筋(太ももの前側)とハムストリングス(太ももの裏側)の筋力バランスが崩れ、四頭筋が過度に強くなることで、膝が入り込んで、安定性が低下し、過伸展しやすくなります。
②関節の柔軟性が高すぎる
X脚など、元々関節が柔らかい人は、意識しないと膝を伸ばしすぎる傾向があります。
③姿勢の崩れ
骨盤が前傾または後傾していると、膝に余計な負荷がかかり、過伸展を助長することがあります。
ヒールのある靴をよく履く方は、前重心になることでバランスを取るために骨盤は前傾に、膝は後ろに押し込む姿勢になりやすくなります。
④身体の使い方のクセ
無意識の内に、膝をロックして立つ癖があると、膝に負担がかかり続けることになります。
【ピラティスで膝の過伸展を改善・予防する方法】
①ニュートラルポジションを意識する
ピラティスでは、身体のアライメント(骨や関節の正しい配置)を意識することが重要です。
特に・・・
骨盤を正しい位置に保つ
膝を伸ばしすぎず、軽く緩める
足裏全体で地面を押す
といった意識が、膝への負担を軽減します。
②適切な筋力バランスをつくる
膝を安定させるためには、以下の筋肉をバランスよく鍛えることが大切です。
・ハムストリングス(太ももの裏側):膝が前に押し出されるのを防ぐ
・大腿四頭筋(太ももの前側):適度な筋力をつけて膝をサポートする
→四頭筋はハムストリングよりも過度に強くなりすぎると、膝を押し込むことにもなりかねませんが、膝を伸ばし安定する筋肉であるため、バランスを取りながら鍛える必要があります。
・臀筋(お尻の筋肉):骨盤の安定性を高め、膝への余計な負担を軽減する
・内転筋(太ももの内側):膝の内側の安定性を向上させる
【膝の過伸展を防ぐのにおすすめなピラティスエクササイズ】
膝の過伸展を防ぎながら、適切な筋力をつけるのに効果的なエクササイズをご紹介します!
① ブリッジ(Bridge)
骨盤の安定とハムストリングスの強化に効果的。
足幅は拳1個分あけて仰向けに寝て、膝を立てる。
骨盤はニュートラルポジション。
息を吐きながら、骨盤を丸めて下の背骨から1つずつ持ち上げる。
胸の後ろから膝まで一直線になったら、一息吸う。
息を吐きながら、ゆっくりと上の背骨から床に戻す。
ポイント
足裏全体で床をしっかり踏みしめるとハムストリングスに効きやすいです!
② クラムシェル(Clam Shell)
臀筋を鍛え、骨盤の安定性を向上させる。
横向きに寝て、膝を曲げる。骨盤は床と垂直のニュートラルポジション。
息を吐きながら、かかと同士をつけたまま上側の膝を開く。
息を吸いながらゆっくり元の位置に戻す。
ポイント
上の骨盤を足先の方に遠く送りながら動かすとお尻に効きやすいです!
③ レッグプル・バック(Leg Pull Back)
大腿四頭筋とハムストリングスをバランスよく鍛える。
お尻から手の平1枚分後ろに手を置き、足幅は拳1個分あけて長座になる。
息を吐きながら、お尻を上げて肩からかかとまでを一直線に保ち、10秒キープする。
この時に膝を伸ばしすぎないように意識する。
息を吸いながら、スタートポジションに戻る。
ポイント
手に体重が乗りすぎないように、背中を上に引き上げておく。
かかとを突き出しながらお尻を持ち上げると、足のアライメントが崩れにくいです。
膝の過伸展は、関節に負担をかけるだけでなく、ケガのリスクを高めます。
ピラティスを取り入れることで、正しい姿勢と筋力バランスを整え、膝を守ることができ、正しく使えるようになります。
大切なのは、日常の動作でも膝の過伸展を意識し、無意識にグッと押し込んでロックしないようにすること!
ピラティスを通じて、しなやかで安定した動きを身につけ、健康な膝を維持しましょう!