ニューヨークより ピラティス便り17 | 東京のマシンピラティス専門スタジオ BDC PILATES (BDCピラティス)

-

Blog

ニューヨークより ピラティス便り17

2023.07.03

皆様、いかがお過ごしでしょうか。BDC PILATESアドバイザーのHasegawaです。

マンハッタンのミッドタウン。
冬はアイススケートリンクになるロックフェラーセンター。夏はローラーブレードリンクが賑わいます。

最近のニューヨークでの大事件‼︎

日本でもニュースでご覧になったかもしれませんが、先日、カナダの山火事の煙がニューヨーク市内にも立ち込めて、数日間は、大変な大気汚染でした。

地下鉄内にも煙の匂いが溢れていたので、この時は、マスクを再び着用する人も多かったです。

写真で撮ると、黄色く写っていますが、肉眼では白く煙で霞んだ空気で、街全体が覆われていました。

太陽もまるで雲の中に隠れたかのような、異様な薄曇りのような日が丸2日ほど続きました。

NY市内の公共の施設や動物園、水族館などがクローズし、野球やコンサートなど数々の屋外イベントが中止になりました。

ほぼ同じ地点の写真…お陰様で、今は空気もすっかり元に戻り、綺麗な青空が見えています。

家の近所の紫陽花も真っ盛り。

今年のNYの6月は、比較的まだ涼しく、気温も25度前後の日が続いています。

ニューヨークは、今、本格的に暑い夏になる前のちょっといい季節かもしれません。

 

さて、今回はNYでのピラティスインストラクターの資格コース終了後の私の体験をお話しさせて頂きます。

ニューヨークの規模が大きめのピラティススタジオでは、資格コースを提供しているスタジオが多数あります。

それには、”そのスタジオで教えるのにふさわしい人材を育てる”という意味があります。

 

ただし、NYでは資格をとったスタジオで必ずしもインストラクターのポジションが約束されているわけではありません。

(勿論スタジオにより違いはありますが…)

NYでピラティスインストラクターの求人を見ると、”xxスタジオやOOOスクールでの資格取得者が望ましい。”と言った文面を見かける事があります。

これは、”内容の充実した資格コースを終了した、きちんとトレーニングされたインストラクターが望ましい!”という事。

ピラティスインストラクターの就職も、NYでは、競争率の高さが窺えます。

 

私は以前お話ししたNYのケインスクールで、資格取得後、そのスタジオのオーナーから声をかけて頂き、

オーディションを受ける事なくすぐに働き始める事ができ、とても幸運なインストラクターデビューをする事ができました。

しかし、いざ教え始めるとなると、緊張の毎日‼︎

通い慣れたスタジオのビルの一階で、毎回すごく緊張してエレベーターのボタンを押した事を覚えています。

 

まず、私の場合、”英語で教える”事自体がとてもチャレンジ‼︎

そして、初めの頃は教えている最中に疑問に思う事も…出てきたりしました。

 

“プロとして、スタジオに出て、お客様にレッスンを教える”ということは、資格コースで習った時の教材の内容全てが頭の中に入っているわけです。

 

例えば、エクササイズのやり方やスプリングの強さなどテクニックの基礎はもちろん。

膝の怪我をした方が来た時の禁止事項…側湾症の方のためにするべきレッスン内容…そう言った事、全て‼︎です。

 

しかし、それでも実際に生身の人間を相手に教えていると、教科書通りにはいかない事…
“えっ‼︎これってどうなの?”という事例も経験していく事になります。

 

そんな日々の中で、何より難しいな〜と感じたのは、”初めてのレッスンの時に、お客さまに、その日の1時間のレッスンで満足して帰って頂く”という事です。

 

もちろん、毎回プロのインストラクターとして、正しい身体の使い方を指導し、ピラティスを指導しているわけですが…

 

ピラティスという技術(メソッド)を教える事=動きと身体を通して人とコミュニケーションを取る事。

だから一方通行の思いだけでは、相手に通じない…相手が理解しているか否かを、自分がしっかりと把握しながら、指導をしなければならないのです。

 

そして、ニューヨークのマンハッタンのスタジオの場合、かなりの割合の方が、ある程度の期待を持ってスタジオを訪れます。

 

エクササイズやピラティスの経験者が多いニューヨークでは、”ここのスタジオでは、こういうレッスンが受けられる”または、”ここでピラティスを受ければ、私の身体は変わる‼︎”といったような期待を抱いて来られる場合が少なくありません。

 

なので、インストラクターは、正しくピラティスを教える事を大前提にして、その上でそれぞれの方の期待に応えるレッスンを提供しなければいけないのです。

 

やはり人間なので、相性の良し悪しはあります。

それでも”インストラクターは、他人を受け入れるキャパ(capacity)を、できるだけ広く持っていなければならない。”

これは、若い時には、なかなか難しい事でした。

 

20代の頃、私はダンサーとして競争の激しい世界を経験してきましたが、

30代にニューヨークでピラティスのインストラクターデビューをした私は、また違った意味でのプロの世界の厳しさを知りました。

 

それでは、また、次回。Have a nice day!!

 

【関連記事】

ニューヨークよりピラティス便り 16

ニューヨークよりピラティス便り 17