ニューヨークより ピラティス便り15 | 東京のマシンピラティス専門スタジオ BDC PILATES (BDCピラティス)

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ニューヨークより ピラティス便り15

2023.04.08

皆様、いかがお過ごしでしょうか。BDC PILATESアドバイザーのHasegawaです。

 

写真で、もうお分かりかと思いますが…

こちらは年末のカウントダウンでお馴染みのタイムズ•スクエアです。

 

3月とは言え、NYの街は油断をしていると寒い日もあり、道行く人も黒いコートだらけ…

まだまだ冬の装いで外出することも多いです。

ブロードウェイの演目の看板も最近は電光になり、華やかさが増しているこの界隈。

 

人だかりができているな〜と思い覗いてみると…ストリートダンスのパフォーマンスでした。

 

 

新しい作品が次々とオープンする中、もうすぐ開幕から35周年を迎えているミュージカル「オペラ座の怪人」が、クローズするようです。

ブロードウェイ史上最長のロングラン公演であるオペラ座が終わってしまうのは、大きな話題になっています。

 

昨年から幾度となく、「間もなくクローズ」と聞いていましたが…

その都度クローズのタイミングが延期になっていて…今度こそ4月16日で幕を閉じることに。

最終回のパフォーマンスのチケットは現在抽選で販売されているようです。

割引チケットの演目の看板。

当日当日にチケットをここで入手する観光客も多いですね。

ここに載っている演目は、殆ど40-50%OFFです。

 

今回この辺りを訪れて、ロックダウンの頃ガラガラだったタイムズスクエアも春を迎え、

やっと元の活気を取り戻してきたように感じました。

 

それでは、前回に引き続き、私がニューヨークでピラティスインストラクターになるまでのお話を。

 

元来、ジョセフ•ピラティス氏が始めたピラティスの真髄は、「Well being=心身共に健康」を目指すためのメソッドでした。

 

弟子達に受け継がれていく中で100年が経ち、エクササイズや運動力学の発展と共に、ピラティスも進化してきました。

また、社会や生活環境の変化、人々の健康への意識の変化に伴い、”ピラティスの教え方”というのも変わってきました

 

(Gramercy Pilatesにて)

 

現代では、エクササイズを教えること、プラス、

ダンサーやスポーツ選手などの怪我を防ぐための予防、

関節の不調や怪我から復帰するためのリハビリ的な知識も必要になって来ました。

 

私の通った資格コースでは、後半は、より詳しく解剖力学を学び、

生徒さんの姿勢や歩行を観察して、身体のバランスをassessment(判断)する方法、

そして、怪我がある程度治った後のリハビリとして行えるピラティスのメソッドを学びました。

 

解剖力学を詳しく学ぶ事は、リハビリだけでなく、普段のレッスンを安全に教える事にとっても役立ちます。

また、身体の仕組みをより詳しく知るこよで、エクササイズを正確に教えるスキルが身につきます。

 

インストラクターの心得として…ピラティスを教える際には、まず、安全第一!!

そして、受講されるクライアントの身体がより良い状態になるようにエクササイズを教えられなければなりません。

 

(Model: Maho)

 

資格コースを始めた私は、1ヶ月に一度週末の講義を受け、平日の午前中にはコースで習ったエクササイズを練習する、そんな研修期間でした。

 

資格コースを終了するためには、この自主練習に加え…

実際に見習いインストラクターとしてスタジオで教えるapparentice(研修期間)、

そして、実技と筆記の試験に合格しなければなりません。

合格するには結構な確率で正解をしなければならず、(もしそれに満たない場合は、再試験を受ける事ができます) 最後の難関でした。

 

膝の怪我と向き合いながら、私はトレーニングを続けていきました。

この期間は、毎日難易度の高い中級や上級のエクササイズを重点的に自主練していたので、体脂肪率が10%台になる、という快挙を遂げました!!

 

また、自分の膝の怪我についても深く理解し、どこの筋肉が弱くなっているか、

あるいは硬くなっているか、

具体的に膝の構造も理解した上でのトレーニングにより、私の膝はかなり良くなりました。

 

ダンススタジオで、コンテンポラリーダンスのクラスを普通に受講できるくらいにはなりました。

 

(Model: Maho)

 

もちろん怪我はしないに越したことはないのですが、逆にこの怪我がキッカケで、結果的には学んだことも多くありました。

 

そして、この経験があるからこそ、今、自分の周りにいる若いダンサー達に”怪我をしてほしくない”、

”少しでも長く踊ってほしい!!”という強い思いを持ってピラティスを教えています。

 

 

資格コース卒業後は、資格を取ったピラティススタジオで、マシンのプライベートレッスンとグループのマットクラスを教える事になりました。

(その頃2004年には、ニューヨークでもまだマシンのグループクラスは、始まっていませんでした。)

 

アメリカでは簡単にセラピーや矯正と言ったキャッチコピーは使えないのですが、

ニューヨークのスタジオで実際に働き始めると、姿勢や骨盤などの矯正、

また股関節や膝の手術の後のリハビリを求めて、ピラティススタジオを訪れる人が大変多いのにも驚きました。

 

医者が、リハビリ後にピラティスに行くことを勧めるケースが多いからです。

 

特に私が教えていたスタジオでは、リハビリに強いインストラクターが多かったので、

腰痛や膝の痛み、側湾症、ヘルニア、骨粗しょう症、股関節や膝の手術後のリハビリなどの問題を抱えた方が、次々と来られていました。

 

私が、インストラクターになりたてホヤホヤの時期は、

”今日はどんな身体の状態の人が来るのだろう!?”と初めて会うクライアントが来る時は、毎回ドキドキしていました。

 

今でもそれはある意味同じで、難しい身体のコンディションのケースの方が来る場合…

事前に色々リサーチし、避けるべき動きやポジションがないか調べ、

またどういうエクササイズが有効かなども再度チェックしてからセッションに臨みます。

 

人の身体は千差万別…そして、日々刻々と変わる身体…

ピラティスインストラクターとして人様の身体に関わっていく仕事はとても興味深く、

またそれゆえに未知な課題も多く、この先もおそらく一生、学ぶ事がたくさんありそうです。

 

膝の怪我をしていなかったら、もしかしたらインストラクターにはなっていなかったかもしれません。

こういうのを”怪我の功名”って言ってもいいんでしょうか。

 

舞台上でのパフォーマンスに全てをかける人生から、

ニューヨークに来てピラティスに出会った事で私の人生も大きく変わりました。

 

それでは、また次回。 Have a nice day!!

 

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