“Mobility(モビリティ)”という言葉、聞いたことはありますか?
最近の運動療法では、このMobilityというものが重視されるようになっています。
身体の”Mobility”とは日本語で”可動性”となりますが、関節を”可能な限り”動かす能力を指しています。
この可動性が十分にあることで動きのしなやかさが増し、運動能力が高くなります。
普段からよく耳にする「可動域」というのは、関節の可動性がどこまであるかで決まってくる動きの幅を指します。
ただし「可動性」は関節可動域の範囲を自らの力(意志)で動かせる範囲だけではなく、
身体の部位を思いのままにコントロールし、動かせる能力のことを言います。
このMobility=可動性というもの。
「柔軟性」と間違って捉えられることがよくあります。
柔軟性は、筋肉が伸長する範囲であるのに対し、
可動性は、関節が稼働する範囲という違いがあります。
ちょっとマニアックですが…
柔軟性が高い人は、可動性が高いことが多いとされています。
しかし柔軟性が高いからといって、運動能力が高いわけではなく、
(身体は柔らかいのに、運動が得意でない人がいるように)
その柔軟性をコントロールできるかの能力、つまり可動性があるかどうかが、運動能力を決めるものになります。
そして柔軟性がどんなに高くても、身体の動きをコントロールできなければ怪我や故障の原因になります。
なので、柔軟性が高ければ高いほどいい、とは一概には言えないのです。
(180度開脚ができればいい!!というわけではないのです。)
また可動性を高めるには、筋肉、神経、関節全ての連動が大事になってきて、
どれか一つだけを取ればいいという訳ではなく、その全ての連動により可動性が生まれます。
本質的に健康な身体でいるため、そしてスポーツの技術を向上させるためには、
このMobility(可動性)を高めることが必要であると言うのが、最近の運動療法の考え方です。
つまり、運動能力を高めるためには、
1、柔軟性を高め可動域を広げる
2、可動性を高めコントロール力を高める
の二つが同時に必要、ということになります。
そしてそこで活躍するメソッドがピラティスになります!
ご存じのとおり、ピラティスは、「筋肉の柔軟性を上げる効果」と、
「身体をコントロールする能力をつける効果」の両方を持ち合わせています。
ピラティスというエクササイズが開発された当初、このエクササイズは「コントロロジー(コントロール学)」と呼ばれていたお話は、以前こちらの記事でご紹介しました。
ゴルフやダンス、バレエ、テニス、筋トレ、水泳、ランニング、マラソン…。
ありとあらゆるスポーツ(身体を使うもの)の技術を向上させパフォーマンスを上げるには、
柔軟性と可動性を同時に高められるピラティスがいい、と言われる所以はここにあります。
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